BUSINESS & CAREER
リンカーン大統領の「文句封印」術
2021.11.11
私たちは、日常生活で、多くの不平不満やフラストレーションを感じます。
シンペイもスティーブンも、完璧な人間ではありません。
毎日のように仕事の場で、あるいは人間関係において、フラストレーションやストレスを感じることがあります。
ただ、強く心掛けていることは、愚痴や文句を口に出さないということです。
たとえば、職場やビジネスに対する文句。
社会や経済に対する文句。
理不尽な言葉や態度に対する文句などなど。
愚痴や文句を、飲み屋や仲間うちでの会話で口にしたところ、たちまち不満が不満を呼び、だんだんと増長されていくような経験をされた方も大勢いるかと思います。
しかし、愚痴や文句を日常的に口に出していては、人生はなかなか、いい方向には回転していきません。
成功している人は、人が文句を言っている中でも、「次の一手」や「変化のチャンス」を考えています。
「不満を解消するアイデアは何だろう?」とか、「何をすれば、皆が幸せを感じられるだろう?」と、フラストレーションの中にあるチャンスを探しています。
フラストレーションを、フラストレーションのままで終わらせず、チャンスを生み出す起爆剤に変えていきませんか。
その昔、リンカーン大統領のこんな話を聞いたことがあります。
彼は人前で誰かの文句を言うこともなければ、叱りつけるようなことも一切しなかったとのことです。不幸にして暗殺されましたが、人間関係においては、アメリカ歴代で最も人に愛された大統領と言えるかもしれません。
ところが、彼の死後、大量の手紙が出てきたのです。そこに書いてあった文面を見て、皆はつい失笑したと言われています。
「何なんだアイツ、あんなミスをするなんて!」
「あれだけ言ったのに。どうして理解してくれないんだろうなぁ……」など。
書いてあったのは、大量の文句。世にはまったく出なかった、リンカーン大統領の不満でした。
実は、彼は嫌なことがあると、文句や怒りを、すべて手紙にして書いていたのです。
文句を言いたい人に伝えたい文句を事細かに書いたのです。
そして文面を何度も読み返し、納得すると、その手紙を破って捨てるか、暖炉で燃やしていました。
リンカーン大統領も、やはり私たちと同様、フラストレーションやストレスを感じていたのです。しかもその職責や時代背景を考えれば、不満の量も、とんでもないほどだったでしょう。
でも、感じているフラストレーションを手紙に書くことで、感情を上手にコントロールしていたと考えられます。
『BIG TALK』(ビッグトーク)では、優れた模範的な人物を真似る、「ロールプレイ」について説明しています。
リンカーン大統領のメソッドは、優れた「ロールモデル」の一人として、リーダーやアントレプルナーが学ぶべきヒントが数多く含まれていると感じています。